はじめに
私は大学院時代に非線形力学の研究をしていました。でも、当時(1970年代後半から1980年代初頭にかけて)はほとんど理解していませんでした。そこで、退職を機にもう一度勉強し直したいと思い、このブログを立ち上げました。このブログでは読んだ本や論文の概要や感想を書き留めていきたいと思います。
まず最初に読んだ本
まず最初に蔵本由紀先生の「同期する世界」から読み始めています。私は大学院(修士課程)のとき、大学は違うけれども蔵本先生の指導を受けていました。そこで、蔵本先生の著書を最初に読むべきと決め、この本を選びました。
模擬実験でオルガンのパイプを同期させる(P.41)
「リズムは同期を好む」という自然に潜む自己組織化の能力は新しい技術の原理として大きな可能性をもっているように思います。
音波が逆相に同期する現象を利用して騒音を打ち消す技術に言及している。この節で興味深かったのは、計測した音波のデータからこの現象を記述する運動方程式をコンピュータを使って決定する手法を使っているということ3)。
ロウソクの炎も同期する(P.46)
ロウソクの炎は周期的に揺らぐことがある(Oscillatory Combustion of 3 candles (speed x0.15) - YouTube)。つまり、ロウソクの炎は振動子になる4)。
燃料の供給→激しく燃焼→空気中の酸素の急激な消費→周辺の酸素の欠乏→燃焼の抑制→酸素が十分な量に達する→再び激しく燃焼→・・・
また、ロウソクの炎も同期する。2本のロウソクの間隔が近いと同相同期(Candles synchronized oscillations - YouTube)が、離れると逆相同期(Anti-phase Synchronization of Oscillating Candle Flame (speed x0.15) - YouTube)が出現する。
ロウソクの炎が相互作用するのは、燃焼で生じる熱がもう一つのロウソクに伝わるからです。
熱が伝わる手段には、熱伝導、熱対流、熱放射の3種類があるが、現在のところ、熱放射の効果だけを考慮に入れた数学モデルが提案されている。
コオロギのコーラス(p.51)
音の強弱が周期的に変動する場合も音は振動子になる。音の強弱のリズムは互いに同期できる。二匹以上のオスコオロギが寄り集まると鳴き声が同相同期する。唱和するには聴覚が働いている5)。
逆相同期するカエルの発声(p.55)
二匹のカエルに発声をうながすと、それらは交互に鳴く、つまり鳴き声はほぼ逆相に同期する。
カエルのフラストレーション(p.57)
体内時計の自然周期はどうしたらわかるか(p.64)
Reference
- M.ABEL and S.BERGWEILER:SYNCHRONIZATION OF HIGHER HARMONICS IN COUPLED ORGAN PIPES. International Journal of Bifurcation and Chaos l(17), No.10, pp.3483-3491, 2007.
- Jost Fischer, Steffen Bergweiler, Markus Abel; The Arnold-Tongue of Coupled Acoustic Oscillators. arXiv, 2013, https://arxiv.org/abs/1311.5797
- M.Abel, S.Bergweiler, R.Gerhard-Multhaupt: J.Acoust.Soc.Am. 119(4), pp.2467-75, 2006.
- Hiroyuki Kitahata et al.: Oscillation and Synchronization in the Combustion of Candles. The Journal of Physical Chemistry A, 113(29), pp 8164-8168, 2009.
- THOMAS J. WALKER: Acoustic Synchrony: Two Mechanisms in the Snowy Tree Cricket. SCIENCE,166(3907), pp.891-894, 1969.
- I.Aihara et al.: complex and transitive synchronization in a frustrated system of calling frogs. Physical Review E, 83(3 Pt 1):031913, 2011.
- CHARLES A. CZEISLER et al.: Stability, Precision, and Near-24-Hour Period of the Human Circadian Pacemaker. SCIENCE, 284(5423), pp.2177-2181, 1999.
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